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消化管内視鏡検査(胃カメラ・大腸ファイバー)

消化管の検査では、もっとも診断能力が高い。治療にも応用できる。


上部消化管造影検査 下部消化管造影検査
・検査で得られる情報量 ★★★★ ★★★★★
・検査に伴う苦痛の少なさ ★★★★ ★★★
・検査の簡便性 ★★★★ ★★★
・検査の安全性 ★★★★★ ★★★★★

内視鏡とは細長く、くねくね曲がる長い管です。これを消化管の中に挿入して、消化管の粘膜の病気を主に観察します。口から内視鏡を入れて検査する?上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)と、おしりから内視鏡を入れて検査する?下部消化管内視鏡検査(大腸ファイバー)があります。

かつてはずいぶん大変な検査でしたが、技術の進歩で、内視鏡は年々細く、軟らかくなってきています。それでも、楽な検査とは言えません。

しかし、消化管の検査では、これほど確実な情報が得られるものはありません。内視鏡で得られる画像もどんどん鮮明になってきていますし、内視鏡でガンや潰瘍、静脈瘤などの治療もできるようになってきました。診断・治療ともに、今やなくてはならない重要な検査です。

上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)
<方法>
口から内視鏡を飲みこんで行います。喉を内視鏡が通過するときに苦痛を感じることが多いので、十分な喉の局所麻酔を行います。それでも喉を固い管が通過するには抵抗があります。どうしても飲みこむことができない人は鎮静剤などを使ってもらうと楽に検査ができるようになります。
食道・胃・十二指腸の内部を十分に観察するために、中に空気を送り込み、胃を風船のように膨らませることが必要になります。この時、おなかが少し張ってきて苦しくなることがあります。ゲップをしてしまうと、十分な観察ができないので、ここは少し我慢のしどころです。

<合併症>
胃や十二指腸に穿孔といって穴をあけてしまうことがあります。普通の胃はかなり丈夫にできていて、まずこんなことは起こりませんが、深い潰瘍やガンなどがある場合にまれに起こることがあります。その場合には開いてしまった穴を閉じるための緊急手術になることがあります。
 内視鏡検査そのものによる合併症の報告は、0.06%の頻度とされています。0.0002%の死亡率の報告があります。きわめて安全な検査といえます。

喉の麻酔や、検査の時に胃の動きを抑えるために使用する薬剤によって、副作用が出ることがあります。むしろ、内視鏡検査そのものよりも、これらの薬剤による合併症のほうが多く報告されています。これらの薬剤によってショックを起し、死亡した例もまれですが、報告はされています(0.0016%)。これは、検査の前に十分な問診がなされるはずですから、さほど心配されることはないでしょう。アレルギー体質の人、心臓病の人、緑内障があるといわれたことのある人、前立腺肥大症のある人は、その旨を申し出るようにしましょう。

近年「楽な検査」をモットーに、これらの麻酔薬・鎮静薬を多用する施設がありますが、内視鏡検査の合併症は、検査自体よりも検査の伴うこれらの薬剤の使用によるものが多いということを考えると、「楽に検査を受ける」ということは「安全性を犠牲にしている」と理解すべきでしょう。

下部消化管内視鏡検査(大腸ファイバー)
<方法>
基本的には上部消化管内視鏡と同じですが、こちらは肛門から挿入して検査します。肛門部は痛覚刺激に敏感なので十分な局所麻酔を行います。大腸はおなかの中で完全に固定されているわけではありません。とぐろをまいていたり、腸が長かったりすると、検査も一筋縄では行きません。胃の検査のようにだれでも確実に検査を終了できるというわけではなく、完全に大腸の終わりまでファイバーの先端が到達しないこともあります。
胃の検査と同様、腸の中に空気を送り、膨らませて検査します。おなかがパンパンに張ってきてくるしくなることがあります。

<合併症>
これも胃カメラと同様です。腸の壁に穴をあけてしまう「穿孔」という状態を作ることがあります。腸の壁は、胃の壁より薄いので、合併症の危険も少し高いです。穿孔を起こしてしまった場合、手術が必要になることがあるのも同様です


医者に言われた、あの言葉《内視鏡検査編》


ポリープがあります

・胃のポリープは心配ないことが多いが、組織検査でしっかり診断。
・十二指腸のポリープは心配ない。
・大腸のポリープは要注意。きちんと検査・治療を。

胃のポリープであれば、そんなに神経質になる必要はありません。見た目大きくて、悪性の可能性が否定できない場合・または診断がついていない場合には「組織検査」が行われます。これは内視鏡で見ながら、ポリープの一部をつまんで取ってくる検査です。痛みはありません。顕微鏡でじっくり眺めて、細胞がガンのような顔つきをしていないかどうかを確認します。これで良性と判断されれば安心です。組織検査で「良性と悪性の中間」とか、良性であっても大きいポリープの場合には、定期的な観察・または切除がすすめられます。切除といっても、内視鏡で見ながら切り取ることができる場合が大部分です。通常の内視鏡検査となんらかわりはありませんし、切り取る際の痛みなどもありません。

十二指腸のポリープは大部分が良性であり、あまり心配はいりません。

大腸のポリープは、一部にガンとの関連がいわれている種類のものがあります。基本的には、胃のポリープと同様に「組織検査」を行って、良悪の区別をつけておかなければなりません。これもある程度の大きさのものや、良悪の区別の難しいものは切り取ってしまうのが無難です。

切り取った場合、取り残しが見とめられた場合には、定期的な経過観察が必要です。


軽い胃炎ですね

・症状がなければ病気ではない。一種の老化現象。
・ピロリ菌が関係している?

慢性の胃炎とは、胃の粘膜が薄くなってきている、胃酸の分泌能力が落ちてきているなどという状態を指します。一般に胃炎といえば慢性胃炎のことを指し、急性胃炎とはまったく別の病気です。粘膜が長年の炎症で赤くただれているもの、粘膜の表面が充血しているもの、胃の表面が腸の粘膜に置き換わってしまったりすることもあります。肝臓病や腎臓病に伴って出現する胃炎もあります。胃炎とは非常に幅広い概念なのです。

基本的には症状がなければ経過観察でいいものです。病気というにはあまりに一般的で、内視鏡検査で「胃炎」と言われても、症状がなければ病気だと認識しないほうがよいでしょう。

これまでは慢性胃炎は「胃の老化」として片付けられていましたが、最近、必ずしもそうではないという報告が出てきています。胃のなかに住んでいるヘリコバクター・ピロリという細菌(ピロリ菌)が関与している可能性があるのです。この細菌は胃の中でアンモニアを発生させ、慢性胃炎、難治性胃潰瘍、十二指腸潰瘍の原因になりうるといわれています。胃ガンとの関連を指摘する医学者もいます。これについては胃潰瘍の項目でもうすこし詳しくお話します。


潰瘍があります

・ただちに治療開始。
・出血の危険があれば入院・内視鏡的に緊急治療。
・悪性潰瘍(ガン)でないことを確認せよ。
・潰瘍の原因はピロリ菌? 可能であればピロリ菌の除去を。
・大腸の潰瘍は原因をきちんと調べる。

胃潰瘍・十二指腸潰瘍を指摘されたら、まず出血の危険がないことを確認します。潰瘍の底に血管などが見えている場合、そこから大出血をする可能性があります。潰瘍からの出血は時に命を奪う緊急事態です。ただちに入院、内視鏡で治療します。

胃潰瘍・出血の危険がなさそうであれば、その潰瘍が良性か悪性(ガン)かを確認するために組織検査というものを行います。これは潰瘍の組織の一部をとって顕微鏡で調べる検査です。ガンは潰瘍の形をとることが多いので、ただの胃潰瘍のように見えても、その潰瘍がガンである可能性を常に疑わなければなりません。肉眼的にもある程度の診断はできますが、やはり、細胞をきちんと調べてガンでないことを確認します。

潰瘍の治療は内服です。薬局でも売っているH2ブロッカーという薬はとても良く効きます。医療機関で処方できるプロトンポンプ・インヒビターという薬はさらに強力に潰瘍を治癒させます。以前のように、潰瘍で胃を切るなんてことはほとんどありません。

胃潰瘍・十二指腸潰瘍は再発を繰返す性質があります。ところが最近、これらの潰瘍の再発にヘリコバクター・ピロリという細菌(ピロリ菌)が関与しているということがわかってきました。もし、潰瘍が見つかった場合、ピロリ菌がいないか検査してもらうとよいでしょう。もし、ピロリ菌がいることがわかったら除菌治療をします。これは内服薬を飲むだけの治療です。除菌がうまくいけば、潰瘍の再発率は著しく低下するとされています。残念ながら日本ではまだ保健が適用されませんので自費になりますが、除菌をしたほうがよいことは明らかなので、ぜひおすすめしたい治療です。

大腸に潰瘍はできにくいものです。できていたとすると、なんらかの病気が背後に隠れていることがあります。組織検査、血液検査その他できちんと診断をつけて、しかるべき治療を受けるべきでしょう。


逆流性の食道炎があります

・胸焼けなどの症状があれば治療。
・一部、食道ガンとの関連も。

口からとった食事は食道を通って胃に入ります。胃にいったん入ったものは食道に逆流してくることはあまりありません。食後に逆立ちをしても吐いたりすることはないですね。それは、一つは食道がつねにものを胃のほうに送り込む運動をしていること、もう一つは、食道と胃の境目のところがギュッと締まるようになっていて、胃の中のものを逆流させないようになっているのです。ところが、胃の上の部分が食道のほうにずれあがってくることがあります。この状態を「食道裂孔ヘルニア」といいます。胃の一部がつねに食道の下の部分にありますから、胃酸が食道に逆流して、食道がただれた状態になります。

この状態を「逆流性食道炎」といいます。胸焼けのような症状が一般的です。

胃潰瘍と同じ治療で、症状はすぐによくなります。しかし、内服をやめると、再び症状が出現します。根本的な治療が難しい病気ではあります。無症状であれば気にすることはありませんが、症状のある逆流性食道炎は食道ガンとの関連も言われています。

症状のある人は、定期的な内視鏡検査をおすすめします。


悪いものである疑いがあります

・粘膜が不自然。びらん。発赤。潰瘍。ポリープ。
・悪性腫瘍の可能性があれば組織検査。

潰瘍やポリープはつねにガンの可能性を疑います。 これは、その場所から一部組織を取ってきて顕微鏡で調べればわかります。ガンの疑いを感じれば、内視鏡医はきちんと組織をとって検査をします。結果に応じてしかるべき治療を受けましょう。


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